食べ物とごみ、温暖化そして東南アジアの自然

子どもたちの好きな食べ物から環境や人権を考えるプログラムを実施しています。


第1回 食べ物を見直そう

 グループ学習で行います。

 

1時間目:食べ物を見直そう 

 グループごとに、すし、天ぷら、カレー、スパゲッティ、ギョーザ、ラーメンなどの課題が与えられ、それぞれのメニューがどんな食材でつくられているか、子どもたちに作業してもらいます。


 分解した結果は、みんなのまえで発表して、お互いに共有します。

<クイズ>

ここでクイズです。

(1)たけのこ、トマト、さつまいも、イチゴがそれぞれ収穫されるのはいつでしょう。

(2)どうして冬でも夏の野菜が食べられるようになったのでしょう。

クイズの答えは2時間目の後に。

 

2時間目:地球温暖化を学ぼう(予備知識)

 

 温暖化効果ガスが図のように地球を取り巻いていること。

わたしたちがエネルギーを使うときにでる二酸化炭素(CO2)のために、温室効果ガスが多くなり、地球の気温が上昇します。

暑い夏がさらに暑くなります。


 温暖化のために気候変動が起こり、洪水になるところ、干ばつで砂漠化が進むところがあることを伝えます。

 台風の大型化や集中豪雨など、地球温暖化の影響は日本にも表れはじめています。

 しかしながら、私たちが旬(しゅん)の野菜、それも地元でとれた野菜を食べるならば、CO2の発生は抑制されて、地球温暖化を防ぐことになります。


図は環境省ホームページからお借りしています。

<クイズの答え>

(1)たけのこ春、トマト夏、さつまいも秋、イチゴ春

(2)ハウス栽培、輸入、長期保存、品種改良


第2回 食材はどこから来たか

1時間目:宿題発表

 

子どもたちが調べてきた食材がどこから来ていたか、カードに書き込んで、日本地図や世界地図のうえにはってもらいます。

その後みんなの前でも発表してもらいます。


おなじ作物でも、複数の産地があること、海外から輸入された食べものもあることを、みんなで共有します。


<クイズ>

(3)世界で一番食べものを輸入しているのはどこでしょう

  ① アメリカ、 ② 中国、 ③日本

(4)みんなの食卓にならんでいるご飯とおかずのうち、日本国内でつくられているのはどのくらいでしょう。

  ①約40%、 ②約60%、③80%

 クイズを通して、日本が世界一の食品輸入大国で、自給率が40%しかないこと、そのために多大なエネルギーが使われていること、

 戦争や気候変動で食べ物が日本に来なくなる可能性があること、国内では離職する農家が増えていることを、共有します。


 中国ネギの農薬の問題もあることや対応策として国内の有機栽培のことにもふれます。


 そして最後に、私たちには<商品を選ぶ>という力があることを伝えます。


2時間目

ジブリのアニメ「平成狸合戦ぽんぽこ」のワンシーン:

タヌキたちが会議を行ったあとハンバーガーを食べるシーンがあります。


<クイズ>

(4)このシーンでアニメの作者の伝えたかったことは何でしょう

  ①タヌキがハンバーガーを食べること

  ②ハンバーガーの宣伝

  ③人間が食べ物を粗末にしていること


 一部のハンバーガー店は、注文を受けてすぐに商品を出せるよう、ハンバーガーを作り置きをして、

一定時間が経過すると自動的に廃棄しています。

 これに対して、ほかのハンバーガー店では、ごみが出ないように、注文を受けてからつくっています。


食べ物ごみのお話

 コンビニで1日のうちに捨てられている食べ物ごみや、京都市のごみ収集で50家族10日分のごみからでてきた手つかずの食べ物ごみの量をOHPで見てもらいます。


 日本人が1年間に捨てている食べ物ごみの量は金額にして、ひとりあたり10万円。

総額約11.1兆円は農林水産業の年間生産高の約12兆円に匹敵します。

つまり、つくった食べ物をそのまま捨てていることになります。

 その一方で、世界には約8億500万人の人たちが食べ物がなくて困っています。

 

○私たちにできること(まとめ)

 食べ物を選ぶ、お店を選ぶ

 食べる分だけを買う、むだに捨てない

 食べ残しをしない


○宿題

「今の私にできること」「将来のわたしにできること」を、考えてくること。


第3回 私たちにできること

1時間目:パーム油と東南アジアの自然

 

 日本が東南アジアから買っているパーム油とエビ、これらをつくるために熱帯雨林やマングローブが破壊されていることを、東南アジアから来ているマクさんと日本の代表的な食生活をしているサラリーマンの山田さんの話から聞きます。


 パーム油は、ラクトアイスクリーム、カップめん、ポテトチップスなどざまざまな食べ物、そして最近では「環境に良い」とされる洗剤にも使われています。


 マングローブが伐採されてエビの養殖場がつくられています。

つくられた養殖場は数年で土地が酸性化して、養殖もできなければマングローブも再生しない不毛の土地にかわってしまいます。


 フィリピンから輸入されているバナナには、熱帯林を破壊していないし、農薬を使用していないものもあります。

消費者が変われば、パーム油やエビをめぐる状況も変わります。

 

○まとめ

 自給率が40%しかないため、てんぷらそばの材料のほとんどが東南アジアから来ています。

 そのために自然の破壊だけでなく、児童労働の問題も生じています。


○私たちが変われば流通が変わる(ロールプレイ)

 ポテトチップスをたくさん食べる現在と、少しだけしか食べない将来とでは、流通機構や東南アジアの産地がどう変わるのか、ロール・プレイ・ゲームで子どもたちに体験してもらいます。


2時間目 グループワーク「私たちにできること」

 宿題で考えてきた「いまできること」「将来できること」をグループ内で発表して共有します。

 その「できること」から社会にどんなことが起こっていくか。5のロールプレイを思い出しながら模造紙に書き込んでいってもらいます。


※  ここで大切なことは、子どもたちに自分の行動と社会とのつながりをイメージしてもらうこと、おなじ取り組みにも違う考えのあるのを知ってもらうことです。

私たちも、子どもたちとは別の視点を提供する必要があります。


○発表&まとめ

 グループで話し合ったことを、みんなのまえで発表し、全体で共有します。


できれば、ここから「クラス(学年)でできる○か条」を導いていきます。

○全体のまとめ(グリーンコンシューマー)

 3回の授業を通して学んでもらうことは、実は、環境に配慮したお買い物をする人(グリーンコンシューマー)のことです。


 グリーンコンシューマーになるための約束五か条

 (1)必要なものを必要なだけ買う

 (2)近くでとれたものや旬のものを選ぶ

 (3)食べる人とつくる人の健康を悪くしないものを選ぶ

 (4)包装の少ないものを選ぶ

 (5) (1)~(4)のような商品をそろえているお店で買う


 これらができるようになるためには知ることが大切。

勉強はできることを増やす、ということを伝えて授業は終了です。

 

(c)認定NPO法人環境市民+山田岳(ただすのもり環境学習研究所)